金属加工から始まる装置づくり
一台の包装機械が動き出すまでには、まず金属の塊を目的の形へ削り出す工程がある。(有)松岡製作所は、この金属加工を土台に据えた包装機械メーカーだ。素材となるのは鉄やステンレスをはじめとする金属で、工作機械を使って削り、穴をあけ、ネジを刻んでいく。図面に描かれた寸法をそのまま金属へ写し取る精度が、後の組み立てや装置全体の動きを決めることになる。
加工の主力になるのがマシニングセンターなどの専門機器で、人の手だけでは出せない細かな精度を金属部品に与える。わずかなずれが噛み合わせの不具合につながるため、削りの一工程ごとに寸法を確かめながら進める。草加の工場では、こうした加工の積み重ねが一品物の装置を支える骨格になっている。
人手が足りず包装工程が追いつかない現場から声がかかれば、その作業に合わせた装置を新しく設計する。汎用機では埋めきれない細かな条件を、削り出した専用部品で組み上げた機械が引き受ける。金属加工の確度が、そのまま装置の使い勝手を左右していく。
設計・加工・組立を一つの現場で回す
(有)松岡製作所の装置づくりは、設計図を引く段階から金属の切削、部品の組み立て、動作の最終調整まで、すべてを社内でまかなう。組立の途中で寸法の微調整が要れば、加工の担当へその場で相談し、すぐに削り直せる。工程を外の会社に振り分けていたら、こうしたやり取りに何日もかかっていたはずだ。同じ屋根の下に技術が集まっていることが、細部への目配りを効かせる仕掛けになっている。
一品物ばかりを相手にする現場は、同じ手順を繰り返せば済むわけではない。注文ごとに一から考える手間を、(有)松岡製作所はあえて引き受けてきた。取材していて素直に感心したのは、効率化しにくいこの領域に長く踏みとどまってきた腰の強さだった。人の勘と機械の精度が噛み合ったとき、既製品では届かない現場の要望に応えられる。
60年余の技術を受け継ぐ人を迎える
(有)松岡製作所の歴史は60年を超え、半世紀以上にわたって金属加工の技が積み上げられてきた。代表取締役の松岡淳一は、この蓄積を次の世代へ渡すことを見据え、加工職人と組立職人を正社員で募っている。未経験からでもマシニングセンターを扱えるところまで育つ道が用意され、在籍の長い経験豊富な先輩が現場でその後押しをする。
工場は草加市柳島町にあり、バス停から徒歩3分ほどと通いやすい。交通費は全額が支給され、勤務は8時から17時、休みは土日と祝日の週休2日で組まれている。食品や医薬品の包装は暮らしと直結しているため需要が細りにくく、金属加工の道に腰を据えたい人にとって続けやすい足場になる。


