木材の声を聞きながら進める、大工工事の現場
木材は一本ずつ反りや節の状態が違う。株式会社竹内工務店の大工工事では、図面通りの寸法で施工することと同時に、木材それぞれの特性を見極めながら作業を進める判断力が求められる。建物の構造部分から内部造作まで、各工程に特化した職人が担当することで、効率と仕上がりの両方を確保している。見える部分だけでなく、壁の中に隠れる構造の品質が建物の快適性と耐久性を左右するという認識が、施工姿勢の根底にある。
「細部まで丁寧で、仕上がりへの意識が高い」という声が取引先から出ているのは、こうした現場判断の積み重ねが伝わっているからだろう。フレーマー・建て方・造作と工程を分けながらも自社内で完結させる体制は、外注を挟んだときに起きやすい情報のロスや品質のばらつきを排除するための選択でもある。
2012年から積み上げた、約11,000棟という数字の重み
2012年から2016年の5年間で1,350棟、その後も年を追うごとに施工数を伸ばし、累計上棟数は約11,000棟に達した。この数字は単なる規模の大きさではなく、現場ごとに異なる条件や木材の状態、工程の複雑さを乗り越えてきた経験の蓄積だ。施工案件の約9割が大手ハウスメーカーからの依頼であることも、品質と工期管理への評価が継続的に更新されてきた証拠になっている。個人的には、この積み上げ方の地道さが、株式会社竹内工務店という会社の性格を一番よく表していると感じた。
2021年以降は年間1,250棟ペースが続いており、受注の安定が職人の働く環境にも直結している。「仕事量に波がなく、計画的に動ける」という声が現場スタッフから出ているのも、この受注構造があってこそだ。
ミリ単位の建て方が、建物全体の精度を決める
建て方工事は、柱や梁を組み上げる工程でのズレがその後すべてに波及するため、精度への要求が際立って高い。測定器と墨出しを活用したミリ単位の施工を基準とし、自社職人が最初から最後まで担当することで、確認と判断の連続性を保っている。横浜の拠点から神奈川・東京エリアの現場へ対応し、現場の規模や内容によっては近隣エリアの相談にも応じる体制だ。建物の骨組みを自分たちの手で組み上げる達成感が、この工程を担う職人のやりがいになっているという。
土台工事・躯体工事もあわせて対応しており、基礎から上棟まで一貫して関わることで、工程をまたいだ品質判断が可能になる。「現場の動きが読みやすく、後工程への影響が少ない」という評価が取引先から挙がっているのは、この一貫性の恩恵だろう。
未経験者が職人になるまでの、段階的な道筋
採用の入口は経験・資格不問だが、入社後の育成には明確な順序がある。フレーマー・建て方・造作の各工程を順番に経験し、適性と本人の希望を確認したうえでポジションを決めていく方針だ。技術の習得と並行して、挨拶・礼儀・安全意識も育成の対象に置いており、現場で信頼される職人を育てるという方針が一貫している。日本の木造建築技術を次世代へ継承するという目標が、教育体制の設計に反映されている。
数字だけを追う急拡大は考えていないという経営姿勢が、離職者を出さない環境づくりへの投資につながっている。「ひとつひとつ丁寧に教えてもらえた」という声が出ているように、習熟のペースを職人ごとに調整する文化が現場に根づいているようだ。


