住まう工房 秦建築|地域の木と職人の技で紡ぐ世代を超える住まい

奈良の木で建てる、50年先を見据えた住宅づくり

在来軸組工法をベースにしながら、最新の耐震技術や断熱工法を組み合わせる——住まう工房 秦建築の家づくりはその二本立てで成り立っている。奈良県橿原市に工房を構え、新築・リフォーム・リノベーションを手がけており、構造材には同じ気候風土で育った奈良県産の木材を積極的に使用。地元の木は反りや狂いが出にくく、強度面でも長期的な安定が見込めるため、50年、100年というスパンで暮らし続ける住まいの骨格に適している。

吉野桧をはじめとする良質材の調達を支えているのは、地元の木材販売店や加工業者とのネットワークだ。こうした連携があるからこそ、材の品質と供給の安定を両立できている。個人的には、構造材だけでなく内装にも奈良の木を使い、緻密な木目がそのまま仕上がりの表情になっている点が印象的だった。素材選びの段階から完成後の見え方まで一本の線でつながっている感覚がある。

「買う」のではなく「一緒に建てる」という考え方

住まう工房 秦建築が掲げるのは、家は施主と共に創り上げるものという哲学だ。企画段階から打ち合わせを重ね、希望や暮らし方を丁寧にすくい取るプロセスに時間を割いている。「こうしてほしかった」という完成後の後悔を出さないために、密なやり取りを欠かさない姿勢が根底にある。屋号の「住まう工房」には、強さと温かさを兼ね備えた家を一緒に作りたいという想いが込められている。

「最初の相談から引き渡しまで、ずっと同じ大工さんが対応してくれた」という声が目立つ。設計だけ別会社、施工だけ下請けという分業体制ではなく、一人の職人が最初から最後まで関わる形を取っているため、意図のズレが起きにくい。家族構成やライフスタイルの変化まで見越した提案が出てくるのは、その距離感の近さゆえだろう。

古民家に新しい命を吹き込む現場力

奈良県橿原市周辺には歴史ある建物が数多く残っており、住まう工房 秦建築はそうした古民家のリノベーションで豊富な実績を積んできた。既存の梁や柱が持つ風合いを残しつつ、耐震補強や断熱改修を施して現代の生活水準に引き上げる工事を得意としている。吉野桧を使った木塀工事など、建物ごとの個性に合わせた施工も手がけている。古い家の価値を壊さずに活かすには、木の性質を熟知した職人の判断が欠かせない。

ある築80年超の民家では、傾いた柱の矯正と床下の湿気対策を同時に進め、住みながらの工事で完了させたというエピソードがある。解体してみないとわからない部分が多い古民家工事では、現場での即時判断が求められる場面が少なくない。大工としての長年の経験が、図面だけでは読み切れない状況への対応力につながっている。

畝傍山のふもとに構えた自社工房の設備群

1999年の創業以来、大和三山の一つ畝傍山のふもとに拠点を置き続けている。工房には直角2面カンナ盤、自動1面カンナ盤、超仕上げ機、バンドソー、パネルソー、組み立て機、集塵機といった木材加工機械がそろい、材の加工から組み立てまでを一貫して自社内で完結させる体制を敷いている。外注工程を減らすことで、仕上がりの精度と工期の管理を同時にコントロールしやすくなっている。

この設備群を実際に稼働させているのは、現場と工房を行き来する職人自身だという。加工の段階で現場の納まりを想定しながら刃を入れるため、据え付け時の微調整が最小限で済む。「工房で木を触っている時間が、そのまま現場の仕上がりに出る」と語る姿からは、道具と技術の両方を自分の手元に置くことへのこだわりが伝わってくる。

橿原市 リノベーション

ビジネス名
住まう工房 秦建築
住所
〒634-0815
奈良県橿原市大谷町4−6
アクセス
TEL
0744-22-7444
FAX
営業時間
定休日
URL
https://hatakenchiku.net