バーのカウンターで培った、聞くという仕事
相談の場をひとりで切り盛りするのは、田嶋秀一さんです。心理カウンセラーや認知行動療法士といった資格を手にする前から、その耳はずっと誰かの話に向けられてきました。30年にわたって営んだバーのカウンターでは、仕事の愚痴も家庭の事情も、言葉にならない沈黙までが差し出されます。酒を注ぎながら受け止めてきた無数の夜が、いまの聞き手としての間合いを形づくっています。
聞く力を支えるもう一本の柱は、みずからの歩みにあります。人見知りで、家族の苦難も通り抜けてきた人だからこそ、相談者を上から見ない距離感が生まれます。だからカウンセリングでは、整った言葉で話す準備はいりません。思いついた順に、まとまらないまま口にしてよいと最初に伝えられます。正直、この「うまく話さなくていい」の一言には、取材していて救われるような思いがしました。
夫婦・仕事・介護・トラウマ——扱うテーマの幅
持ち込まれる相談は、ひとつの分野に収まりません。夫婦のあいだのすれ違いや、職場の人間関係とプレッシャー、親の介護にまつわる疲れ、過去のトラウマまで、生きづらさの形はさまざまです。どのテーマにも通じるのは、身近な人にこそ打ち明けにくいという点です。だから家族でも友人でもない立場で、評価を挟まずに話を受け止める役回りが要になります。
話して終わりにせず、悩みの奥にある要因まで一緒にたどっていくのがこの相談室の進め方です。面談の後も、以前より楽になっているかを確かめ、その人の歩幅に合わせて続けていきます。目の前の困りごとだけを切り取らないぶん、同じ悩みを繰り返してきた人ほど、変化の糸口をつかみやすくなります。
八街を拠点に、千葉のあちこちへ
拠点は千葉県八街市、JR八街駅から車で5分ほどの落ち着いた一室です。対面はこのカウンセリングルームのほか、近隣のカフェでも受けられ、駅での待ち合わせや送迎にも応じてもらえます。遠方や外出が難しいときはZoomなどのオンラインが開かれ、全国どこからでも画面越しに話せます。出張は八街市を中心に、千葉市や佐倉市、銚子市の方面まで足を運びます。
連絡の窓口はLINEにまとめられ、電話は10時から17時のあいだで受け付けています。不在のときは留守番電話にひとこと残せば、折り返しがあります。オンラインの支払いは銀行振込に対応し、車で来る場合の駐車場も前もって伝えれば調整してもらえます。


