腕よりも先に、仕事への向き合い方を見る
腕の立つ職人をそろえる以前に、真面目に仕事へ向き合う姿勢を何より重く見る。これが珠喜建装の根っこにある考え方だ。内装仕上工事は、間仕切りや軽鉄下地、石膏ボード貼りといった地道な作業の積み重ねで、派手さとは縁が遠い。だからこそ、一つひとつの工程を手を抜かずこなせる誠実さが、最終的な仕上がりを左右していく。経験や資格は後から付いてくるという発想が、この会社の人の見方を形づくっている。
頑張りを言葉でなく待遇で返す経営
代表の河野嘉伸が掲げる方針は、成長や努力を給与へきちんと反映することだ。能力や経験に応じて評価する仕組みを整え、日々の働きが収入へ直結する日給制を敷いている。精神論で片づけず、働きに見合う対価を返すという考え方が、現場で動く人の納得感へつながっている。
取材して好感を持ったのは、評価の軸がぶれていない点だった。真面目に取り組む人を引き上げ、その先に資格取得支援や独立という道筋まで用意している。頑張った人がきちんと報われる設計になっているから、腰を据えて技術を磨こうという気持ちが続く。寝屋川を拠点に長く働ける土台は、この一貫した姿勢の上に成り立っている。
大手ゼネコンの現場が職人を鍛える
珠喜建装の現場は、大手ゼネコンが元請けとなる案件が中心を占める。学校や病院、ビル、大型商業施設といった社会に使われる建物の内装を担い、関西国際空港やHEP FIVEのような大規模施設にも関わってきた。責任の重い現場へ身を置くほど、職人としての技術も判断力も鍛えられていく。安定した業務量のもとで経験を積めるため、身につけた技能が一過性で終わらない。
自分たちが仕上げた空間を、毎日大勢の人が使っていく。学校の教室で生徒が学び、病院の待合で患者が順番を待ち、商業施設を買い物客が行き交う。その舞台を内側から成り立たせているという手応えは、内装仕上ならではのものだ。表に名前こそ出ないが、街の機能を陰で支えている役回りは小さくない。
人が育ち、受け継がれていく会社
真面目さを入口に採り、現場で育て、技術を次へ渡していく。この循環が珠喜建装という会社を動かしている。未経験で入った人も、先輩から道具の扱いや作業手順を教わりながら、一人前の職人へ少しずつ近づく。資格取得支援の費用は会社が全額負担し、働きながら専門性を高められる。将来の独立を望む人には現場で要るノウハウまで渡すため、ここで培ったものは外へ出ても通用する。寝屋川市高柳の事務所を起点に、近畿一円でその技術が積み上がっていく。


