散らかった心を、いったん広げてみる
はっきりした悩みがなくても、心の片隅には漠然とした不安が残っていることがある。くるーるくーるが見つめているのは、そんな言葉になりきらない思いの数々だ。一人ひとりが胸に抱えた荷物を棚卸しして整理すれば、行き詰まっていたものがくるくると回り出すきっかけになる——それがこの活動の出発点にある考え方である。勉強の前に机を片づけるように、新しい一歩を軽くするための足がかりを色の力で用意している。
心の片づけに、やりすぎということはないらしい。とはいえ毎日向き合うのは難しいから、くるーるくーるは無理のない間隔を自分で決めることをすすめている。年末の大掃除とまとめて、誕生月の区切りに、といった目印があると続けやすいそうだ。一年に一度でも手をつけるのと放っておくのとでは、心の軽さがずいぶん違ってくるという。
色を選ぶというやり方の良いところは、言葉にしづらい感情まで形になって見えてくる点にある。頭で考え込むより先に、好きか嫌いかで選んだ色が、今の心の状態をそっと映し出す。もやもやの正体がはっきりすると、本当に大切なものや、これから進みたい方向が自分の中で整理しやすくなる。この活動が目指すのは、その整理を相談者自身の手でやりきってもらうことだ。
名前と小鳥に込めた願い
「くるーるくーる」という名は、フランス語の Couleur(色)と Cœur(心)をつないだものだという。読みにくいので普段はひらがな、という肩の張らない姿勢が、この活動の雰囲気をよく表している。ロゴに描かれるのは、ハート型のシルエットと、羽根が葉っぱになった青い小鳥だ。心の荷物の中から、根を張って育てるものと、思い切って手放すものを選び取る——そんな意味が一羽の鳥に託されている。
葉っぱのグリーンには、真実の探求や方向性といった意味が重ねられている。小鳥のブルーが指すのは、心の平和や信頼だ。色そのものに物語を持たせているあたりに、色彩を扱う活動らしさがにじむ。「くるくる」と回り出すきっかけになりますように、という願いが、名前にもロゴにも静かに流れている。
できることと、そうでないことを正直に
案内を読んで感心するのは、くるーるくーるが引き受ける範囲をごまかさずに書いている点だ。診断は結果を保証するものではない、と最初に言い切っている。たとえば受験の合否まで約束するものではなく、最後に行動を選ぶのは受けた本人、という線引きがはっきりしている。背伸びしない説明だからこそ、任せる側も安心して本音を預けられる。
支払いは、手数料や人数の変動を見越して取引当日が基本と決められている。昼休みを使って受けたいという相談にも応じてはいるが、後の予定が気になって集中しづらいため、休日など余裕のある日程をすすめてくれる。個人的には、こうした細かい気づかいを前もって言葉にしている点に、この活動の誠実さを感じた。段取りの一つひとつに、相談者の心地を先回りして考えた跡がある。
子育ての渦中から、心の健康を見つめて
このカウンセリングを一人で担うのは、出産と子育てを経てきた色彩心理診断士だ。横須賀市田戸台を拠点に横浜を中心へ動き、お一人から家族連れ、妊婦の方、団体までを受け入れている。子育ての最中という立場から、親御さんの揺れる気持ちを実感として受け取れるのが、他では得がたい持ち味だ。診断とは別に子ども向けの「色育教室」も開き、心を測るだけでなく育てる側にも手を伸ばしている。地域に身近な「心の棚卸し屋さん」であり続けたい、という思いが活動の軸にある。


